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ブリュンヒルデのあれと並べたい。使うかはともかく。 - 名無しさん (2018-07-19 14 11 50) >ぼやけていたものが鮮明になる。 お前ひそかに目ぇ悪いんじゃねえのとか思ってしまう。 - 名無しさん (2018-08-02 21 07 46) ※たべられません - 名無しさん (2018-08-02 21 12 49) チェンジ・氷の叡智 - 名無しさん (2018-12-20 09 40 54)
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とある魔術の禁書目録 「とあるまじゅつのインデックス」と読む。 外伝である「とある科学の超電磁砲」は「とあるかがくのレールガン」と読む。 当ページの訪問者数 合計 - 人 本日 - 人 昨日 - 人 御坂 美琴 (みさか みこと) 【引退】 【参加:第ββ回~第2回@コミュ】 初参加でTOP10入り。 【成績】 【公式】 \ @1回 @2回 @3回 @4回 @5回 本戦 27位 21位 引退 pt 5718 4794 ― 【非公式】 \ Cβ回 ββ回 Oβ回 βββ回 本戦 ― 10位 ― 38位 pt ― 27801 ― 10206 白井黒子 (しらい くろこ) 【引退】 【参加:第1回@コミュ~第2回@コミュ】 第1回@コミュニティでは新規キャラ1位の10位。 続く第2回では順位を伸ばし8位! 【成績】 【公式】 \ @1回 @2回 @3回 @4回 @5回 本戦 10位 8位 引退 pt 28449 37622 ― ■奇術サイド マギー審司 準備中... 【引退】 【参加:第2回@コミュ~第3回@コミュ】 元ネタは公式PV 【成績】 【公式】 \ @1回 @2回 @3回 @4回 @5回 本戦 ― 24位 27位 pt ― 1161 439 ■奇術サイド エスパー伊東 準備中... 【引退】 【参加:第2回@コミュ~第3回@コミュ】 元ネタは公式PV 【成績】 【公式】 \ @1回 @2回 @3回 @4回 @5回 本戦 ― 26位 31位 pt ― 67 104 ▲ページトップ ■トップページへ戻る
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(投稿者:フェイ) ここまで走ってきただけでも全身が悲鳴を上げた。 目の前には平常時でも一人では捌ききれないほどのGの群れ。 間に合わない救援は無いと考えたほうがいいだろう。 状況は絶望的。 それでも。 自らの誇りと挟持に賭けて、レギンレイヴが退くことは無い。 「さあ……掛かってきなさい…! このレギンレイヴがお相手しましょう…!」 眼光鋭くGの群れを睨みつけ、光剣を起動させる。 「っ…う…!」 瞬間、立ちくらみが起きた。 倒れるわけには行かず膝に力を込めて前へと向き直り、光剣を構える。 そして、愕然とした。 自らが握る光剣からは、僅か30cmほどの短い光が伸びるだけとなっていたことに。 まるでそれは、レギンレイヴ自身の命の短さを示しているようで―――。 「……っ、く……それが、どうしたというのです…!」 自らに言い聞かせるように声を無理やり張り上げると、そのまま一歩前へ踏み出す。 力を込めて身体を前へと押し出すようにして、Gの群れへと飛び込んだ。 「は、ああああっ…!!」 突き出したLS1938が先頭のワモンを貫く。 勢いと気迫を載せ突き出した光剣がその意を受け、短かった刀身をまっすぐに伸ばす。 貫かれたワモンの背後からレギンレイヴへ飛びかかろうとしていたもう一体のワモンが、その背より突き出した光剣の先端にまとめて貫かれた。 無造作に右へと剣を降れば、伸びたままの光がしなるように追従し、ワモンの身体を引き裂いていく。 ―――私は…まだいける! 獰猛な笑みを浮かべ、手首を返すと光の鞭が風とGの身体を切り裂く。 腰を曲げ姿勢を低くしながら背後へ跳躍、形状を剣へと戻したLS1938をレイピアのように構え直し姿勢を取る。 戦闘時の興奮故か、普段身体を襲う激痛は感じられない。 飛び掛ってきたウォーリアの急所を一突きにすると即座に剣を引く。 引き抜いた動作そのままに身体を回転させ、再び鞭状に展開した光剣でなぎ払い周囲のGを一掃。 積み上げられた仲間の死骸に躊躇したGの隙を逃さず跳躍、脚を振り上げワモンの頭部へと蹴りを見舞う。 先端に鉄の仕込まれたブーツがやすやすと蹴り砕き、倒れ伏した背中を蹴り砕くように着地。 着地の勢いのまま、振り上げていた光剣を振り下ろし、シザースを真っ二つに卸す。 ――そう、私は…! 光剣を振りぬき、敵に向かって次の一歩を踏み出したその瞬間。 身体の内側から起きた弾けるような激痛に、足の力が抜けた。 「っ…!!」 息がつまり、身体のバランスが崩れていく。 踏みとどまると、消えかけたLS1938の刀身が見えた。 「まだ……まだ!!」 激痛を無視し、LS1938を握る手に力を込め直すと、僅かに輝きを取り戻す。 勢いのまま無造作に振り上げた剣先がウォーリアの顔面を粉砕するのも見届けずにそのまま袈裟斬りに振り下ろす。 斜めに切断されたウォーリアが地面に崩れ落ちた。 その背後から、山にように押し寄せるGの群れ。 「が、はぁっ……!!」 全身に走る激痛を吐き出すように息を吐くと、歯を食いしばり直し右腕を振るう。 LS1938から伸びた光の剣が接近していたウォーリアの頭部を薙いだ。 頭を失ったウォーリアが二歩、三歩ふらふらと歩いて倒れこむのを確認もせず、今度は後ろへと光剣を突き出す。 背後から迫っていたワモンが貫かれ、もがいた後に動きを止める。 「く、ううううっ…!!」 後ろにつきだした勢いを自分で制御しきれずたたらを踏み、なんとか踏みとどまって顔を上げる。 その瞬間、目の前には次のウォーリアが迫っていた。 ――こんな、ことで…! 反射的に膝をかちあげそのウォーリアの顎を砕き割るが、バランスを崩したレギンレイヴは足を滑らせ、その場に尻餅をつく。 それを見逃すはずもないGがレギンレイヴの上へと群がり、彼女の上に山のように積み重なっていく。 「っ、ぐ、あ、離しなさいっ…無礼、なっ…!!」 ウォーリアの重みに耐えながら押し返そうとするが腕に力が入らない。 激痛が走り、レギンレイヴの胸に何かが突き刺さった事を伝える。 視線を下ろせば、シザースの発達した二本の顎がレギンレイヴの胸へと突き刺さり、骨を砕き内蔵を貫いて背中から顔をのぞかせていた。 「あ…か、ひゅ……」 声が出ない。 せりあがってきた血の泡が喉を塞ぎ、ごぽりと嫌な音を立てて口の端からこぼれていった。 足掻こうにも串刺しにされたまま身動きも取れない。 飛びそうな意識を続けざまに襲いかかる激痛が無慈悲につなぎとめる。 「っ…! ……っ、っ……!!」 引きちぎろうとしているのか、腕に噛み付かれて引っ張られる。 無理に引っ張られた肩は既に外れ、体の千切れる音がレギンレイヴの体内で響き始めた。 シザースの顎が傷口をえぐるように押し込まれ、レギンレイヴの身が仰け反る。 (―――っ、喰わ、れ――っ!) 専用に仕立てられた装甲服を食いちぎられ、シザースの口に当たる部分が身体へとあたり、牙が突き立てられる。 肌を、肉を食い破りその牙がレギンレイヴの奥深くへと貪り進んでいく。 (――コ、ア……を……?) 朦朧とした意識が、Gの目的を悟る。 ―――この、レギンレイヴのコアを喰らい取り込もうというのか。 (――――………ざ、け………!) 腕が千切れる音がした。 左腕の肘から先が持って行かれ、引きちぎられた箇所から大量の血が吹き出す。 激痛、激痛、激痛、激痛、激痛。 ――だが、関係ない。 (―――ふざ、け…ないで…もらいましょうか…!) ――このレギンレイヴが、貴様らのような下衆に取り込まれてたまるものか…! 焦点の定まっていなかった瞳に光がもどる。 全身を走る痛みを、怒りという意志が凌駕する。 抑えこまれ、左腕と同じように引きちぎられようとしていた右腕が力を取り戻す。 Gを振り払い、転がっていたLS1938を手に取ると、レギンレイヴは全ての意思を込めて心から叫んだ。 「…退けえええええええええええっ!!!!」 「…!?」 グレートウォール戦線上空、Si43による輸送に身を委ねていたブリュンヒルデは、何かを感じうつむいていた顔を上げた。 気流の影響か激しく揺れる機内だが、感じた異常はそれではないと確信。 身を貫く気配に落ち着かず、席を立つと機内の揺れによろめきもせずに操縦席へと近づいていく。 「お、おいブリュンヒルデ、座っててくれ! 今原因不明の気流が…」 必死に機体を操る操縦士が慌てて声をかけてくるが、ブリュンヒルデの耳には届かない。 ブリュンヒルデの眼は真っ直ぐに操縦席の正面、向かうべき方向を見つめる。 「ブリュンヒル……」 「お、おい、なんだアレは…!?」 声をかけようとした操縦士は、副操縦士の声に意識を前へと戻した。 ブリュンヒルデと同じ方向を見て、その光景を目の当たりにする。 「……なんだよ、ありゃあ…!?」 「………光の、柱……?」 地上から天を貫くように立ち上がる光の柱。 ブリュンヒルデには、伝わっていた。 その光の柱を発しているのは誰か。 ―――そのコアエネルギーの波動を持つものは、誰なのか。 「………レギン…レイヴ……!!」 光が、その周囲にいた全てのGを切り裂いた。 「――――」 警戒したGが一斉にその光から離れると、光の中から人影が立ち上がる。 左腕は食いちぎられたまま、足の力だけで立ち上がったその人影は右手に持った光剣をG達へと向ける。 敵対行為と見なした一体のウォーリアが、光のオーラを纏うその人影に近づこうと手を伸ばす。 途端、その腕がバラバラにちぎれ飛んだ。 「……!?」 その切り傷は瞬く間にウォーリアの全身を侵食しつくすと、そのままウォーリアの身体を切り散らす。 細切れになったウォーリアの姿にG達が警戒に一歩、また一歩と後退する。 「――――…ハ、ハ……」 人影から声が漏れる。 「ハハ、ハハハハハハ………」 その人影が前へ一歩、踏み込む。 「ハハハハハハハハハハ……!!」 Gが一歩、また一歩と後退するのを追い詰めるように人影が前へ進む。 「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」 顔を上げたレギンレイヴが右腕を横へ振りかぶり、なぎ払うように降る。 途端、レギンレイヴの身体に収束していた光が方向性を与えられ喜ぶように輝くと、大量のGを一斉になぎ払った。 「ハハハハ、他愛もない…!!」 光に触れ、細切れになったGを見下すようにしながらレギンレイヴは哂う。 「これが、コアエネルギーの力…!」 千切れた左腕の痛みはない。 貫かれた胴の痛みも、折れた肋骨の痛みも、肺がやぶれている故の息苦しさもない。 「貴様達を滅ぼす……私たちの、剣です…!!」 宣言するように声をあげると、力を増していく光をまといGの群れの中へと飛び込んでいく。 レギンレイヴ逃れようとするG。 レギンレイヴをとらえようとするG。 それら全てを、コアエネルギーの光が切り刻んでいく。 「刻め、刻め、刻め…!!」 レギンレイヴの声に呼応するように光は輝きを強め、世界をその色へと染めていく。 光が満ち溢れた世界の中、レギンレイヴはただ只管にGを切り刻む。 踏み込むたびに世界が切り刻まれていく。 Gだけではない、地面も、天高く揺らめく雲も、全てを切り刻む光。 「ハハハ、ハハハハハ…」 真っ白な光の中を、レギンレイヴは歩き続ける。 細切れになって地面に落ちた死骸を今一度切り刻み、それにも構わず歩き続ける。 「………ハハハ…。………?」 次第に静かになっていく様子に、周囲を見渡す。 気づけば、白い世界には何もいなくなっていた。 ただ一人、レギンレイヴだけが立っている。 「………なんだ、もう終わりですか?」 歩みをとめる。 真っ白な世界の中、立ち尽くす。 「………少し、疲れましたか」 一息をつくと途端に疲労がレギンレイヴの身体を包みこむ。 落ち着かせるように眼を閉じて深呼吸を数回。 「………レギンレイヴ」 「……え…?」 どこか、遠くから聞こえた声に眼を開ける。 世界を埋め尽くす光の中、手をかざすメードの姿が見えた。 「……ああ、なんだ……」 レギンレイヴもまた、笑って手を伸ばす。 手を伸ばすメードはレギンレイヴが手を伸ばしたのを見ると笑顔を見せ、手招きをする。 「ここに、いたんですか…皆」 メードの後ろにもまた、幾人ものメードが見えた。 いずれもレギンレイヴを急かすように手を振りながら、光の向こうへと歩いて行く。 「…せっかちすぎます。もう少し休ませなさい」 レギンレイヴは苦笑いをしながらも、歩を踏み出した。 ―――今、私もそこへいきますから NEXT BACK
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ズアンヒルデフォンザクセン(ズアンヒルデ・フォン・ザクセン) ドイツのザクセン公の系譜に登場する人物。 関連: ヘルマンビルング (ヘルマン・ビルング、父) 別名: シュヴァンヒルトフォンザクセン (シュヴァンヒルト・フォン・ザクセン)
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「う・・・う~ん」 カーテンの隙間から、日光が垣間見える。そんな中、界刺は目を覚ました。 「ス~。ス~」 隣には、一糸纏わぬ姿で眠っている水楯が居た。時計を見ると、午前9時を回った所だった。どうやら、2人共にぐっすり寝入っていたようだ。 「ふあ~。・・・喉が渇いたな。何か飲むか。よいしょ・・・・・・」 喉の渇きを覚えたので、水を飲むために布団から出ようとした界刺。だが・・・ 「(・・・涙簾ちゃんが抱き付いているせいで、布団から出られない・・・!!)」 界刺の体を固くホールドしている水楯のせいで、ベッドから降りることができない。 「・・・困ったな。さすがに、起こすわけにも行かないし。こんなに気持ち良さそうに眠ってるしな。 こうやって近くで見てみると、涙簾ちゃんって美人さんなんだよな」 そう言って、水楯の長い髪を撫でる。かつては、自分が水楯の髪をセットしてあげたこともある。そのことで、形製と喧嘩になったこともあったが。 「うっ。・・・あっ」 それが切欠になったのか、水楯が目を覚ます。 「・・・起こしちゃったか?ごめん」 「い、いえ・・・。おはようございます」 「うん。おはよう」 互いに朝の挨拶を交わす。水楯は、自分の髪を界刺が撫でていたことに気付き、上目遣いでこう頼む。 「も、もう少し私の髪を撫でてくれませんか?」 「・・・・・・チッ(ボソッ)」 「・・・・・・(ギュ~!!)」 「ぐふっ!?な、何でホールドしている腕に力を入れてんの!?というか、涙簾ちゃんって力強いね!?」 「鍛えていますから。さぁ、界刺さん。早く早く!」 「こ、この娘は・・・!!素っ裸状態の胸を押し付けてる羞恥は無いのか!?」 「もちろん、ありますよ」 「あんのかよ!?」 等と言うやり取りの末に根負けした界刺が、渋々水楯の髪を撫でる。 「・・・ポッ!!」 「何が『ポッ!!』だよ・・・。あぁ、喉が渇いた。少しだけだからな?」 「はい」 水楯が、気持ち良さそうに界刺の手を受け入れている。その笑みに嘆息する界刺。 コンコン! 「「!!!」」 そんな時に聞こえて来たのは、部屋の扉をノックする音。聞き耳を立ててみると、何やら騒がしい声が幾つも聞こえて来た。 「ま、まさかバカ界刺に限ってそんなことは有り得ないとは思うけど・・・」 「わ、わからないわよ!!何せ、涙簾って人は界刺さんにとって“特別”なんでしょ!?」 「確かに、苧環先輩の言う懸念は考えられますね・・・!失念していました!!・・・一厘先輩、そこを退いて下さい。私の『念動使い』で、すぐにでもドアを開けます!!」 「ちょ、ちょっと待って!さ、さすがにそれは駄目なんじゃあ・・・!!」 「し、真珠院さんの目が血走っている・・・!!サ、サニー先輩・・・!!」 「な、何だかドキドキしますね!!胸の鼓動が、バックバク言ってます!!遠藤さんも感じませんか!?」 「サ、サニー様・・・え、遠藤も同じ気持ちです!!それに、男子校の寮に足を踏み入れるのは初めてなので、余計に心臓がバックバクです!!」 「お、おい!!お前達は、ここへ何しにきたんだ!?一昨日の件で界刺の体が気になると朝練の最中に騒ぐから、こうして私の付き添いの下ここへ案内したんだぞ!?」 「うおっ!?な、何でこんな所に常盤台のお嬢様連中が来てんだ!?」 「あれっ!?あの娘達・・・以前成瀬台に来た娘達じゃないでやんすか?」 「梯君の言う通りだね。俺も、あの娘達は覚えているよ」 「な、何故こんな所に常盤台の・・・女子校の人間が居るんだ!?もう、女子校の生徒はこりごりだ!!ここ最近、俺がどれだけ要に苛められていると・・・ブツブツ」 「おおぉ!!誰かと思えば、何時ぞやの常盤台の娘達ではないか!!むぅ?確かあの部屋は・・・『シンボル』の界刺の部屋だったな!!」 「界刺さん!?リ、リーダー・・・。あっ、荒我だ」 「・・・そういえば、あの『シンボル』のリーダーはここの生徒・・・そうよね、稜?」 「何で俺に聞くんだ?加賀美先輩の方が、よく知っている筈だよな?」 「そらひめ先輩―い!!あのかいじって人が、あの部屋に居るみたいですよー!!」 「へぇ・・・。うん?その界刺の部屋の前に常盤台の女共が集ってるのは、何でなんだ?」 「リンリン!?あいつ、ぶっちゃけ何してんだ!?界刺って・・・あの“変人”のことか!?」 「リンリンの奴・・・。メールを見た直後に慌てて同行すると言って来たのは、そういうわけか」 「固地先輩・・・」 「ほぅ。あの部屋に、『シンボル』の“変人”が住んでいるのか。 フッ、ならば成瀬台に足を踏み入れている者として、挨拶くらいはしておいた方がよさそうだ。行くぞ、真面」 聞き慣れた声。昨日及び一昨日に聞いた声。聞き慣れない声も聞こえて来る。その主達に見当を付けたり付けなかったりの界刺と水楯は、共に溜息を吐く。 「あいつ等・・・。真刺を使って、わざわざここまで来たのか?昨日、あんだけ綺麗サッパリ的な別れ方をしたっていうのに!女の執念って恐ぇ・・・。 というか、俺の部屋の近くに何で20人以上もの人間が集まってんの!?」 「・・・どうします?このままだと、すぐに強行突破されそうな雰囲気ですよ?」 「・・・・・・仕方無ぇ。ここは・・・」 『光学装飾』で確認した人数は22人。しかも、一部を除いてどいつもこいつも見たことがある奴ばかり。中には見過ごせない人間も・・・。 こんだけの人数が集れば、否が応にも大騒動になる。しかも、自分達の格好が限りなくヤバイのだ。主に、素っ裸の水楯が。 もう、扉が無理矢理開けられるのは時間の問題だった(主に、血走った目をした真珠院のせいで)。故に、界刺は“2つ”のことを決断する。 「そのドアを開けるんじゃ無ぇぞ!!今、俺と涙簾ちゃんのお着替えタイムだ!!!もし入ってきたら、男と女の裸を覗き見した罪で警備員に訴えるからな!!!」 「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「!!!???」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 「界刺さん・・・」 「ほらっ、今の内に着替えるんだ!それと・・・・・・」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 水楯の不服そうな顔を無視して、着替えを促す界刺。それは、着替えが終わるまでの時間稼ぎ。そして・・・。 だが、外に居る人間にはそんなことがわかる筈も無く・・・ 「ま、まさか・・・!!!ほ、本当に・・・!!?」 「だ、だから言ったじゃ無い!!あの人は“特別”なんだって!!」 「・・・・・・(クラッ)」 「し、真珠院!?し、しっかりして!!」 「界刺様・・・!!わ、私は・・・信じませんから!!!」 「こ、これは・・・大スクープ物ですね!!!」 「こ、これが・・・男性と女性の営みという物なんですか・・・!?・・・(カアアァッ!!)」 「得世・・・水楯・・・。お前達・・・一体何をしているのだ!!?」 「利壱・・・紫郎・・・。よ、よく理解できないんだけどよ・・・つまりどういうこった!?」 「・・・そ、それは・・・。オイラ達の口からは・・・」 「・・・う、うん・・・。純情な荒我兄貴には耐えられないかも・・・」 「あ、あ、あの“成瀬台の変人”!!学生寮で、何とんでもねぇことをしてやがる!!!うおおおおぉぉぉっっ!!!」 「ま、待たんか、椎倉!!・・・(ガシッ!!)・・・お、落ち着くのだ!!」 「・・・リーダー?事の詳細を理解できますか?」 「・・・稜ならわかる筈だ、うん」 「だから、何で俺に聞くんだ!!?」 「うん?そらひめ先輩。あの人達は、何であんなに騒いでいるんですか?男と女の人が着替えているだけですよね?何かおかしいんですか?」 「抵部・・・。お前が知るには、まだ早ぇよ(・・・抵部って高1だよな?)」 「あ、あの“変人”!!春咲先輩の好意を受けておきながら、何やってんだよ!!?」 「・・・ハァ。あの男の行動は、つくづく予測が付かないな」 「・・・!!!」 「・・・真面。何故顔を紅潮させているんだ?さては、お前。今まで女性と付き合ったことが無いな?」 各々が、勝手に騒ぐ有様である。その隙に着替え等を済ませる界刺と水楯。そして・・・ ガチャ! 「え~と・・・。団体様ご到着って流れかな?俺等、今から朝飯なんだけど・・・」 そんな流れで、団体様ご一行を自室に迎え入れる羽目になってしまったのである。 「・・・・・・界刺さん。ご希望のスクランブルエッグと焼き立てのパンです」 「ありがと、涙簾ちゃん。そういや、涙簾ちゃんの作る食事は久し振りだなぁ」 「確かに、こういう機会は久し振りですね。まぁ、ここに来る時くらいしか界刺さんに食べて頂くことが無いですからね。私も、腕によりをかけて作りました」 「んふっ、そんじゃあ、いただきます!」 「いただきます」 「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「・・・」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 何処ぞのフランケンシュタインもどきの顔にナイフとフォークが突き刺さり、 それが笑顔でサムズアップしている絵柄がプリントされた紫色のシャツを着ている界刺と、花盛の制服を着ている水楯が朝食を取り始める。 そんな光景を、唯見せられている団体様ご一行。完全アウェイ、完全に蚊帳の外状態である。 「(な、何この部屋!?何処もかしこも、常人には理解し難いプリントがされた衣服とか小物とかあるんだけど!?)」 「(さ、さすがは“変人”と呼ばれるだけのことはあるぜ。ぶっちゃけ、サッパリ理解できねぇセンスだ!!)」 「(・・・何だ、あのプードルを邪悪に染めたようなプリントが為されているカーテンは?悪趣味にも程があるぞ?)」 こちらは、159支部の一厘・鉄枷・破輩の3名。彼女達は、界刺の部屋にある様々な衣服や小物に目を向ける。どれも、普通の人間には理解し難い物ばかりだ。 「(かいじさんの着ているシャツ・・・カワイイー!!)」 「(・・・駄目だ。普段は和服のあたしからしたら、あのプリントを目にするだけで頭がクラクラして来やがる!!一体全体、どういうセンスをしてやがんだ!?)」 こちらは、花盛支部の抵部・閨秀。彼女達は、界刺が着用しているシャツに目を奪われていた。抱いた感想は正反対だが。 「・・・・・・あっ。界刺さん。口元に卵が・・・(フキフキ)」 「おっ。あんがと、涙簾ちゃん」 「いえ。どういたしまして」 「(な、何てモン見せ付けやがるんだ!!お、俺なんて要と付き合っていた頃なんか、そんな気遣いを見せてくれたことなんか、一切皆無状態だったんだぞ!!)」 「(まるで、夫婦であるな。こういう穏やかな雰囲気の中で食事をするというのは、さぞ気持ちの良いものであろうな)」 界刺の口元に付いていた卵焼きを、水楯がティッシュで拭き取る。その光景を見て、成瀬台支部の椎倉は心の中で血の涙を流し、寒村は好印象を持つ。 「ごちそうさまでした」 「・・・・・・おそまつさまでした」 「ふぅ。さすがは涙簾ちゃんお手製の食事だ。旨かったよ」 「そう言って頂けると、私も作った甲斐があります」 「んふっ」 「フフッ」 「(2人は・・・恋人なのかな?それにしても、学生寮でね・・・。大胆だわ)」 「(くぅ~!!な、何かこういうのを見てると無性に腹が立って来てしゃーないわ!!ブン!!)」 「(痛っ!や、八つ当たりまで・・・!!・・・俺って、何でここに居るんだ?)」 朝食も終わり、2人揃って笑い合う界刺と水楯の姿を見る176支部の焔火は推測及び感嘆を、加賀美は苛立ちを、神谷は疑問をそれぞれ抱く。 「さぁて、腹も膨れたことだし。昨日お願いしていた件でも始めようか、涙簾ちゃん?」 「・・・・・・そうですね。あっ、でもその前に食器を洗ってしまいましょう」 「あっ、そうだね。それじゃあ、一緒に持って行こう」 「はい」 「(・・・!!!)」 「(あぁ・・・。荒我君には、恋人の姿ってヤツは早過ぎたでやんすかねぇ・・・)」 「(荒我兄貴・・・。さっきから、ずっと目をパチクリさせてるねぇ)」 食器を片付けるために、界刺と水楯が立ち上がる様を目の当たりにする荒我は瞠目するしか無く、舎弟の梯と武佐は荒我の心中を慮る。そして、約10分後・・・ 「ふぅ。これで、洗い物も終わり・・・・・・だね」 「はい」 「(これが・・・恋人ってヤツなのか?な、何ていう素敵空間なんだ・・・!!)」 「・・・・・・」 食器洗いを終えて、元居た場所まで戻って来た界刺と水楯。その姿に178支部の真面はいたく衝撃を受ける。そして・・・ 「その前に・・・。“『シンボル』の詐欺師”界刺得世。お前に聞きたいことが・・・」 「そんなことは後にして下さい!!!」 「グハッ!!」 「固地先輩!?」 「債鬼君!?」 界刺に対して質問をしようとした固地を、後方に居た真珠院が吹っ飛ばす。 “風紀委員の『悪鬼』”と呼ばれる男に対する暴挙を成し遂げた真珠院に、皆の注目が集まる。 「お、お前・・・!!グッ!?こ、これは・・・念動力か!?」 「・・・少し黙っていて下さいませんか?フフッ、お口にチャックですわ」 「ッッ!!ッッ!!!」 「(・・・固地先輩のあんな姿、初めて見た)」 「(・・・!!さすがは、常盤台のお嬢様だな。恐いもの知らずと言うか何と言うか)」 真珠院の『念動使い』によって宙に浮かばされ、その口さえ閉ざされることとなった固地。焔火は唯々驚愕し、椎倉はその恐いもの知らずさにある種の尊敬の念を抱く。 「・・・何かな、珊瑚ちゃん?」 「・・・単刀直入に聞きます!!あ、ああ、あなた様と・・・涙簾様は・・・先程まで一体何を・・・」 「何をって・・・・・・なぁ?」 「そうですね・・・」 「「寝て(まし)た」」 「なっ!!?・・・(クラ~)」 「し、真珠院さん!?」 寝ていた発言を聞いた真珠院は、まともや倒れ掛ける。そんな彼女を、近くに居た遠藤が支える。 ドン!! 「痛っ・・・!!くそっ、あの女め。下らない真似を・・・!!」 「債鬼君!?だ、大丈夫!?」 「あぁ。この程度、何の問題無い」 真珠院が倒れ掛けたため、固地を縛っていた念動力が解除される。加賀美が心配そうな声を掛けるが、固地は軽く受け流し、再度界刺へ向けて問いを投げ掛ける。 「さっきは邪魔が入ったな、“成瀬台の変人”界刺得世。お前に質問したいことが・・・」 「邪魔よ」 「ガハッ!!」 「固地!?」 「あっき先輩―い!?」 気を取り直して界刺に対して質問をしようとした固地を、これまた後方に居た苧環が吹っ飛ばす。 “風紀委員の『悪鬼』”と呼ばれる男に対する再びの暴挙を成し遂げた苧環に、皆の注目が集まる。 「お、お前・・・!!グッ!?体が痺れて・・・!?」 「・・・少し黙っなさい?フフッ、電気ショックでしばらくは動けないわよ?」 「く、くそっ!!!」 「(・・・固地先輩のあんな姿、余り見たこと無い・・・!!)」 「(・・・!!さすがは、常盤台のお嬢様だな。恐いもの知らずと言うか何と言うか)」 苧環による電気ショックで、身動きが取れなくなった固地。焔火は驚愕し、椎倉はその恐いもの知らずさにある種の尊敬の念を抱く。 「何かな、華憐?」 「界刺さん・・・。単刀直入に聞くわ。そ、その・・・寝ていたっていうのは・・・どういう・・・」 「どうって・・・・・・ねぇ?」 「そうですね・・・」 「「一緒に寝て(まし)た」」 「なっ!!?・・・(クラッ)」 「お、苧環様!?」 一緒に寝ていた発言を聞いた苧環は、真珠院と同じように倒れ掛ける。そんな彼女を、近くに居た月ノ宮が支える。 ドン!! 「こ、これしきのことで・・・俺が負けるわけが・・・無いだろうが・・・!!」 「債鬼君!?だ、大丈夫!?」 「あぁ。この程度、心配いらん!!」 電気ショックを受けて痺れていた体に活を入れ、無理矢理起き上がる固地。 加賀美が心配そうな声を掛けるが、固地は軽く受け流し、三度界刺へ向けて問いを投げ掛ける。 「今度こそ俺の問いに答えて貰うぞ、“変人”界刺得世。俺は、お前に・・・」 「消えて」 「ッッ!!・・・(スクッ。ダダダッッ!!)」 「固地先輩!?ど、何処へ行くんですか!?」 「寒村!!固地を捕まえてくれ!!」 「了解した!!」 今度こそという意気込みの下、界刺に対して質問をしようとした固地を横に居た形製が『分身人形』で洗脳し、部屋から追い出す。 その直後、椎倉の指示を受け寒村が固地の後を追う。“風紀委員の『悪鬼』”と呼ばれる男に対する三度の暴挙を成し遂げた形製に、皆の注目が集まる。 「(・・・固地先輩のあんな姿、何だか見慣れて来たわ・・・)」 「(・・・!!さすがは、常盤台のお嬢様だな。恐いもの知らずと言うか何と言うか)」 形製に洗脳され、部屋から追い出された固地。焔火は次第に慣れ始め、椎倉はその恐いもの知らずさにある種の尊敬の念を抱く。 「何かな、バカ形製?」 「バカ界刺・・・。単刀直入に聞くよ。そ、その・・・一緒に寝ていたっていうのは・・・どんな風に・・・」 「どんな風にって・・・・・・言っちゃう?」 「・・・仕方無いですね。この際、告白しましょうか」 「俺は、シャツ一枚と半ズボンで」 「私は一糸纏わぬ姿で」 「「一緒に寝て(まし)た」」 「なっ!!?・・・(クラァ)」 「け、形製さん!?」 水楯が全裸になって界刺と一緒に寝ていた発言を聞いた形製は、真珠院や苧環と同じように倒れ掛ける。そんな彼女を、近くに居た一厘が支える。 ドン!! 「ハァ・・・ハァ・・・!!な、何故こうも邪魔が入るんだ・・・!!くそっ!!」 「債鬼君!?あ、あなたが『シンボル』のリーダーに何を聞こうとしているかは知らないけど、もう止めた方がいいんじゃあ・・・?」 「馬鹿を言え!!ここまで恥をかかされて、おめおめと引き下がれるか!!」 「債鬼君!?」 『分身人形』の洗脳が解けた固地。寒村に押さえ込まれたせいか、息も絶え絶えな彼に加賀美が心配そうな声を掛ける。 だが、固地は彼女の助言を聞き入れず、泣きの1回的に界刺へ向けて言葉を発する。 「界刺得世ぉ・・・!!俺は・・・!!!」 「界刺様!!」 「ッッ!!・・・(クルッ!スタスタ)」 「あっ・・・。しまった・・・。『発情促進』をあの恐い人に・・・!!」 「固地先輩!?な、何をするつもりですか!?」 「アアアアアアァァァッッ!!!!!」 「キャアアアアァァァッッ!!!!!」 凄まじい執念を見せながら界刺に対して質問をしようとした固地に対して、離れた場所に居た鬼ヶ原が『発情促進』を掛けてしまった。 鬼のような形相で界刺に近付く固地に対して、思わず危機感を抱いたが故の暴発。その被害を被った固地は、鬼ヶ原へ向けて脇目も振らずに突進する。 ピカー!!! 「グッ!?・・・ガハッ!!ゴホッ!!ヘギッ!!」 「・・・ナイス、真刺」 「何のこれしき。か弱き少女に襲い掛かるとは、何と言う非道な行い。貴様、それでも風紀委員か!?」 鬼ヶ原へ発情したがために襲い掛かった固地を、界刺が発生させた閃光によって怯ませ、 掛けているだて眼鏡を“サングラスモード”にした不動が『拳闘空力』を用いて制裁を与える。 「か、界刺様~!!こ、恐かったです!!」 「おぉ、よしよし。もう大丈夫だよ、嬌看。後は、真刺に任せとけばいいから」 「ちょ、ちょっとタンマ!!」 「む?何だ?まさか・・・貴様はこの男を庇うつもりか!?」 固地に制裁を与えている不動に、加賀美がストップを掛ける。 「こ、これは何かの間違いというか・・・。債鬼君に限ってそんなことは有り得ない!!彼が、女性に乱暴を働こうとする筈が無いよ!!」 加賀美は、ボロボロになりつつある固地を必死に庇う。風紀委員になった当初からの付き合いである。 故に、彼女にはわかる。固地債鬼という男は、女性に対して乱暴を働くような畜生では無いことを。 「・・・でも、この人の頭の中・・・そこに居るか弱い少女に対するイヤらしい思考しか無いですよ?口に出すのも憚られるような想像ばっかり・・・」 「えっ!?武佐君・・・それって本当でやんすか!?」 「うん」 「な、何て野郎だ!!この前あった時は気色悪いオカマ口調だったが、実はとんでもない卑劣漢だったのか!! よし、俺達も行くぜ!!普段はステゴロ一本だが、こんな卑劣漢には勿体無ぇよ!!」 「了解でやんす!!オオオオオォォォッッ!!!!」 「了解。少女を襲った罪・・・ここで償ってもらおうか!!」 「ちょ、ちょっと!!!」 ドカッ!!ベキッ!!バキッ!!グキッ!! 不動、荒我、梯、武佐の4名により、ボロボロになる固地。本当ならば、風紀委員である以上止めなければならないのだが、 自分達の目の前で固地が鬼ヶ原を襲いかけ、『思考回廊』を持つ武佐に(『発情促進』による)イヤらしい思考をバラされたために、 誰も制止を掛けることができなかった。 「お~い。その辺にしとけよ。もう、そいつも十分に罰を喰らっただろうし。それ以上は、周りに居る風紀委員も黙っちゃいないと思うよ?」 その制止を掛けたのは、(『発情促進』の効果が切れる頃を見計らっていた)界刺。彼の制止により、ようやく制裁が終了する。 「ふぅ。これ以上は・・・と言うヤツだな」 「ハァ・・・。まぁ、この辺で許してやろうか」 「荒我君、優しいでやんす!!」 「荒我兄貴が言うのなら・・・。今度やったら、こんなモンじゃ済まないよ?」 不動達が拳を止め、散会して行く。その後に、加賀美が固地へ駆け寄って行く。 「・・・・・・」 「債鬼君・・・。ボロボロになっちゃったね。でも、何でそんなことを・・・?」 ボロボロになって気絶している固地を見て、加賀美はどうしても疑問を抱いてしまう。 自分が知っている固地という男は、決してそのような真似や思考をする人間じゃ無い。 なのに・・・。疑念渦巻く加賀美に回答を示したのはもちろん・・・ 「あぁ。それなら簡単なことだよ。この娘・・・鬼ヶ原嬌看の能力『発情促進』が暴発したからさ。 彼女の能力は、自分に対して異性・同姓問わずに発情させてしまう能力なんだよね。んふっ!」 「そ、それを早く言えええええぇぇぇっっ!!!!!」 界刺のネタ晴らしに、加賀美が大声でツッコミを入れる。 「だって、言った所でどうなるモンでも無いし。一度発情したら、5分くらいはずっと発情してるし」 「あ、あなたねぇ・・・!!!」 「そいつ・・・債鬼って言ったか?そいつが俺に恐い顔で迫って来るもんだから、嬌看が咄嗟に能力を発動しちゃったんだよ。俺を守るために。ねぇ、嬌看?」 「は、はい・・・。界刺様に危害が及ぶかもと思って・・・反射的に・・・。グスッ、すみません」 「ううぅっ!!!」 鬼ヶ原が少し泣き始める。その姿に怯む加賀美に、界刺が追い討ちを掛けていく。 「大丈夫さ、嬌看。風紀委員の皆さんは、心の広い人達ばかりだ。全ては、俺を守るためだったんだろ?なら、この人達はちゃんと理解してくれるさ」 「ほ、本当ですか・・・?」 「あぁ、本当だとも。何せ、過激で有名なあの“花盛の宙姫”でさえ、俺がちゃんと話したら理解を示してくれたしなぁ。そうだったよね、美魁?」 「ううぅっ!!!」 矛先を閨秀に向ける界刺。案の定、心当たりがある閨秀は怯む。 「抵部君・・・いや、抵部準エース殿!お仕事、ご苦労様です!!」 「えっ・・・!!は、はい!!かいじさんも元気そうで何よりです!!」 「これからも、学園都市の皆さんを守る活動、懸命に努めて下さい。陰ながら、応援しております!!」 「わ、わかりましたー!!がんばりますー!!」 「そんな風紀委員花盛支部の抵部準エース殿なら、今回の嬌看の失敗をその広いお心で許して下さいますよね!?」 「も、もちろんですともー!!わたしだって、いつも失敗ばかりしてますからー!!」 「・・・(ニヤァ)」 「な、何ちゅーしてやったりの顔・・・!!あの野郎の口は、ぶっちゃけデマカセ発行機かよ!?」 「“『シンボル』の詐欺師”・・・か。絶対に敵に回したくないわね、ああいうタイプは」 抵部を自らの手の上で自在に転がし、見事風紀委員としての言質を取った界刺の手腕に鉄枷は呆れ、破輩は戦慄する。 「よしっ。そんじゃ、そういうこと・・・」 ブン!!! 「・・・・・・」 一閃。それは、界刺に向けられた光の“剣”。『閃光真剣』と呼ばれるそれを向けたのは、176支部最強のエース・・・“剣神”神谷稜!! continue…?
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ヴィルヘルム(CV.平川大輔) 本名:ヴィルヘルム・カール・グリム 年齢:23歳 グリム兄弟の次男。 兄弟思いの優しい青年で、性格は穏やか。 知的で、兄と一緒に研究をしていたが少しドジな一面も。 攻略 ※攻略制限あり※ 魔王ルートキャラ攻略後? -幸福な日々- 待つ-相手次第-ごめんなさい-無理 マンドラゴラ とってきてもらう -謎の笛吹き男- 様子を見に行く -あかずきん登場!- 助ける -塔の上の少女- 買う-エーデルワイスのしおり 聞く-ルートヴィッヒ 登る 助けて、ルートヴィッヒ -白馬の王子様!?- キャンバス奪還 買う-地図 -あたたかな思い出- 選択肢なし -眠りについた町- 炎の精霊を召喚 買う-とある姫様のスケッチ ヘッセン -ときめきの舞踏会- 買う-ヘッセンパラダイス(銀貨→ルーイルート) -女神ブリュンヒルデ- 行く ヴィルヘルム兄さん 平手打ち キスをする(BAD:スチル差分回収) 炎に飛び込む -霧の使者- 選択肢なし -暗黒童話の迷宮- 選択肢なし -暴かれた仮面- 選択肢なし ヴィルヘルムED:-花の香りに包まれて-
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「ハァ、ハァ・・・。何だ、あの光は・・・?」 夜の第6学区をひたすら駆け回っていた鉄枷の目に映るのは、空に浮かび上がる幾つもの光源。 何の前触れも無しに突如浮かび上がったそれ等に、鉄枷は疑問を抱く。 「(ライト・・・じゃ無ぇよな。ぶっちゃけ空中を飛ぶライトって何だ?そんなもん、学園都市に住む俺だって聞いたこと・・・!!!)」 思案に耽っていた鉄枷を現実に引き戻したのは、轟音。何か固いもの同士がぶつかったような大きな音。それは、あの光源の方向から聞こえて来た。 「・・・!!ウオオオオオォォォッッ!!!!」 鉄枷は再び走り始める。風紀委員を務めている鉄枷の、それは勘。あの衝突音は、能力によって発生したもの。そう、鉄枷の勘が言っている。 もしかしたら、あの光源も能力者の仕業なのかもしれない。であれば合点がいく。今の状況において、第6学区という場所で発生した光と音。それが意味するものは・・・ 「ハァ、ハァ・・・!!」 救済委員。この第6学区で活動していると思われる者達。そして・・・春咲桜を救済委員として見掛けたという情報がある。能力者である彼女を。 能力者・・・すなわち異能の力を持つ者達。そして、救済委員にも多くの能力者が居ると言われている。もし、遠くに見て、聞いた光や音も異能の力によるものだとしたら。 「春咲先輩・・・!!」 鉄枷は、ある願いを胸に持てる力を振り絞って駆ける。それは、矛盾した願い。己が慕う先輩が、これから向かう場所に居ないことを願いながら。 “ソレ等”、すなわち数多の小型コンテナがまるで砲弾染みた速度で放出される。狙いは、過激派救済委員。 その放出前にいち早く己が危険を感じ取った金属操作は、即座に周囲にあるコンテナ群を液状化し、自分達を守る壁に鋳造する。鋳造が完了したと同時に・・・“ソレ等”が来た。 ガガガガガガガガガガガガガガッッッッッッ!!!!!! 砲弾並みの速度で放たれた小型コンテナや水の弾丸が、金属の壁を襲う。凄まじい衝突音。その威力に戦慄しながらも、壁の維持に集中する金属操作。 小型コンテナ自体の数は限られている。この攻勢も一時のこと。そう看破している金属操作にはその時、少しばかり余裕があった。それは、己の能力に対する絶対の自信。 真っ向からぶつかり合うのならば、負けることは無いと自負する己が能力への・・・それは驕り。 ドゴッ!!! 壁の一部分が小型コンテナとの衝突で砕け飛ぶ。それは、慣れない足場のために予定地点へ到達するのが遅れていた“彼女”にとって千載一遇のチャンスであった。 そして、“彼女”はそのチャンスを逃さない。 パアァァンッッ!!! 音が鳴り響く。それは、銃声。遠距離からの狙撃。狙いは・・・ 「グアアアッッ!!!」 「峠っ!?」 峠上下。過激派において、空間移動という重要な役割を負う彼女を本気で潰すために“彼女”は狙撃した。 峠は左腕から血を流し、その場にうずくまる。麻鬼が、狙撃された峠の傷を診るために駆け寄った。 「・・・銃弾が通過していない。まだ、肉体に残っている。峠、まずは、銃弾を肉体から・・・『残っている』・・・?」 麻鬼は銃弾が峠の肉体に残っていることから、狙撃手の当てを付ける。確か、“彼女”が持っている銃は設定次第で豆腐の中にすら弾頭を残す芸当が可能だった筈。つまり・・・ 「・・・菊・・・!!」 麻鬼は驚愕する。何故なら、峠の目が怒りで血走っていたからだ。それは、誰に対する怒りなのか。それは、峠にしかわからない。 「菊・・・!!!」 峠は、凄まじい怒りに囚われていた。自分を撃ったであろう“彼女”―花多狩菊―は、峠が信用する数少ない仲間である。 穏健派、過激派という思考も方針も違うグループに属しながらも、時には一緒に行動を共にし、時には力を合わせて敵に立ち向かう。 偶に性格の違いから喧嘩することもあるが、最後には―大概は峠が謝って―仲直りする。花多狩の穏やかな性格を、峠は気に入っていた。 峠が相手を下の名前で呼ぶのは、峠自身がその相手を信用していることに他ならない。 だから、『今回も』峠は花多狩が自分を本気で攻撃するなんて夢にも思わなかった。そんなことは、今まで一度も無かったから。 「菊ゥゥゥッッ!!!!」 「!?ま、待て、峠!!!」 銃声と着弾から、花多狩が居る方角はおよそわかる。峠は、麻鬼の制止を無視して、金属操作が作り出した金属の壁でできた影に入り込み・・・『暗室移動』を発動する。 対象者は、自分1人のみ。転移先は、花多狩が居るであろう方角の何処か。峠の頭には、今や友への怒りしか存在しなかった。 「上下ちゃん・・・?えっ・・・ど、何処に、行っちゃったの・・・?は、花多狩姐さんが・・・撃った?本気、で・・・?う・・・嘘・・・」 そんな峠の行動を目の当たりにして、酷く動揺する羽香奈。自分達に危険が差し迫っても、峠の『暗室移動』で楽々と退避する。だから、峠と居る時は何が起きても安心だった。 それが、今までの現実。少なくとも、峠と行動を共にしている時の羽香奈琉魅という少女にとって当たり前だったこと。その当たり前が・・・崩壊した。 「こ、この、このままじゃあ・・・。あ、あたし、も上下ちゃんみたいに、撃たれたり・・・?そ、そんなの・・・嫌・・・絶対に、嫌・・・!!」 元々、羽香奈は直接的な戦闘力を持たない能力者である。救済委員に入ったのも、そこまで深い理由があるわけでも無い。 お遊び感覚とまでは行かないが、どこかでナメていた節はあった。救済委員という存在が、時には命を懸ける程のものだったことを、彼女は自覚していなかった。 「嫌・・・嫌・・・嫌アァァァッッ!!!!!」 「羽香奈!?何処へ行く!?」 故に、羽香奈はパニックに陥る。命を懸けるという現実を自覚してしまったから。今の彼女には雅艶の制止も届かない。ただ、逃げる。それだけが、今の彼女に存在する選択肢だった。 「峠っ!?羽香奈!?あいつ等・・・」 金属操作は、峠や羽香奈の身勝手な行動に苦虫を噛むと同時に妙な親近感を抱いていた。彼女等も自分と同じように、抑えきれない衝動に突き動かされて行動を起こした。 本来であれば非難されて然るべき峠や羽香奈の行動を、金属操作は非難する気にはなれなかった。 「(・・・どうやら終わったみたいだな)」 今まで轟音をこの空間の響き渡らせていた衝突音が止んだ。つまり、弾切れということである。 「(とりあえず、壁の修復が最優先だな。あいつ等がまた攻撃してこないとも限らないし・・・)」 『シンボル』や穏健派から新たな攻撃が来ることを警戒する金属操作は、小型コンテナによって大きく傷んだ、しかし耐え切って見せた己が成果を見やって、それでも気を引き締める。 峠に一撃を浴びせられたのは、間違いなく金属操作の油断であったからだ。 「(・・・二度とあんな失態は演じねぇ!!今度こ・・・そ・・・?)」 壁の修復のために、周囲のコンテナ群を見る金属操作の目に映ったのは・・・漆黒のコートを羽織る男。 「・・・!!!」 その男を、金属操作はよく知っている。その姿が、その態度が、その言葉が、一々癪に障る男。その男が、金属操作に向かってある動きを見せる。 「!!!」 小型コンテナのよって砕かれた壁の一部を指差した後に、自分の左腕を押さえるその姿は・・・まるで、先程の峠の姿を思い出させるかのようだった。自分が犯した失態も一緒に。 そして、その姿は・・・まるで、自分の失態を嘲笑っているかのように金属操作には見えた。見えてしまった。 「こ・・・こんの・・・この馬鹿鴉があああぁぁぁっっ!!!!!」 だから、金属操作は止まらない。自分で自分を止められない。峠や羽香奈と同じように。よりにもよって、自分が一番嫌う男に自分の失態を見られたから。嘲笑われたから。 その際限無い怒りは、“激流”に対して放った怒りとは比べ物にならない程凄まじかった。 「おいっ!!金属操作!?くっ、馬鹿鴉とは啄のことか!?雅艶!この近くに奴が居るのか!?」 「いや、少なくとも俺の『多角透視』では近くに啄の姿は見当たらない!!幾ら奴が『分裂光源』で自分の姿を生み出せたとしても、 この近辺にいない奴がコピーの光をうまく操作できるとは思えない。金属操作の見間違いか何かじゃ無いのか!?」 「くっ・・・。どいつもこいつも勝手に動き回って・・・!!奴等の思う壺だぞ、これでは!!」 麻鬼と雅艶は、自分達が不利な現状に置かれていることを自覚する。 この場に居るのは、雅艶、麻鬼、躯園、林檎、七刀、刈野の6名。峠、羽香奈、金属操作の3名はこの場から離れてしまっている。 特に、防御に秀でている金属操作と移動能力を有する峠がこの場を勝手に離れてしまったのは痛かった。 「林檎?あなたの念話能力で峠達と回線を繋げることはできない?あなたの念話範囲は相当広いんでしょう?」 「躯園姉ちゃん・・・ゴメン。あたしの能力は念話を繋げる相手の場所がわからないと回線を繋げられないんだ。相手に大音量をぶち込むのも一緒の理由で、今は無理なんだ」 「雅艶君。あなたの『多角透視』で林檎さんに峠さん達の居場所を伝えて連絡を取るか、『敵』の居場所を伝えて動きを封じるか・・・というのはできないの?」 「・・・『敵』も峠達も今は常に動いている。『多角透視』からの『音響砲弾』では、どうしてもタイムラグが発生する。林檎の言う条件では無理だろう」 「で、でも!位置さえわかれば、待ち伏せみたいなことはできるよ!?念話でも攻撃でも!別に対象を見ないといけないっていう能力じゃないし!」 「・・・それも無理だな。お前はこの辺りの地理に詳しくない。それどころか、今日初めて訪れた場所だ。 この辺りはコンテナが数多く並んでいて、見通しがすこぶる悪い。幾らお前の演算能力が優れていようが、演算に必要な地理情報がお前に備わっていない以上、有効性は低い」 「・・・ごめんなさい」 雅艶の冷静な指摘を受けて、林檎はしょんぼりしてしまう。林檎の『音響砲弾』は念話能力の発展形であるため、普通に念話能力としても機能する。 その有効範囲も半径1キロ、一度に回線を繋げられる人数は数十人にも及ぶ。『音響砲弾』も同様に。 但し、その回線接続には対象の位置を林檎が認識する必要がある。それは、視覚で無くてもいい。林檎が対象者の居る場所を何らかの方法で認識できれば繋げることができる。 言い換えれば、その場所を具体的に認識できなければ回線を繋げることはできない。例えば・・・初めて訪れた場所とか。 「となると、これからどうする、雅艶?おそらく、奴等はこうしている間にも俺達を狙って来るぞ? 俺としては、峠や金属操作がいない以上こうやって一箇所に固まっているのは得策では無いと考える。包囲戦を仕掛けられる危険性もあるしな」 「確かに、麻鬼さんの言う通りです。今は徹底抗戦よりも、何組かに分けて穏健派の攻勢を掻い潜り、このターミナルから脱出を図った方がいいかと思います。 状況はこちらに不利ですが、雅艶さんや林檎さんの助力があれば、峠さんの移動能力が無くてもここを脱出するくらいは可能でしょう」 「峠さんや金属操作君は自力で何とかできるだけの力はある。羽香奈さんは・・・もし穏健派と衝突することになっても殺されるということは無いと思うわ。 一応穏健派だし、彼女。希望的観測なのはわかってるけど」 「ということだ。いいな、春咲。お前は不服だろうが、今は何よりここからの脱出が最優先だ。もし、この方針に逆らうと言うのなら・・・お前も『裏切り者』として・・・」 「・・・わかったわよ。林檎を危険な目に合わせたくはないし。あのクズと穏健派の連中には、後で目に物を見せてくれるわ!!」 一番反発するであろう躯園を脅しでもって承諾させた雅艶は、早急にここからの脱出方法を企てる。 「よし。まずは、林檎!お前は俺達全員と念話回線を繋げろ。俺が『多角透視』から得た情報をお前に送るから、それを皆に周知する。いいな?」 「わ、わかった!!」 「組み合わせは、俺と麻鬼、七刀と刈野、春咲と林檎という3組。それぞれ、脱出する方向は別だ。異論はあるか?」 「林檎と一緒なら私には異論は無いわ。林檎、お姉ちゃんが必ず守るからね」 「う、うん!」 「私は刈野さんとですね。了解しました」 「私も異論は無いですよ」 「俺もだ」 「よし。それでは・・・行動開始!!」 そうして、雅艶達は早急にターミナルからの脱出を図る。そんな彼等を・・・『敵』は黙って見過ごすわけが無い。 ここは、戦場。何が起きるのかを完全に予測し得る者など存在しない、それは世界の一部たる混沌が支配する掟無き渦の如し。 continue!!
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とあるまおうのものがたり【登録タグ と 初音ミク 曲 黄昏P】 作詞:黄昏P 作曲:黄昏P 編曲:黄昏P 唄:初音ミク 歌詞 (PIAPROより転載) どこまでも平和な世界 ある日彼は魔王となる 無常の鐘友の裏切り 全ての心闇に閉ざし 包み込む愛しい光 けれどそれは仮初で 友情は散り傷も癒えずに 優しい歌はもう届かない 誰よりも愛していた 何よりも思っていた 悪を抱えきれるほどには 強くもない心震わせ 誰が彼を正せようか 栄光の白い羽 黒く穢れて落ちていくよ 目に映るは敵と信じ 誰もみな忘れ行く 過ちは繰り返し かつて人の身であろうとも 内なる罪に苛まれて 果てしなく続く空 彼と似た澄んだ青 安らぎは訪れるのか 悲劇の幕は下りるのか どこまでも平和な世界 ある日彼は魔王となり 希望忘れ人を憎み いつしか糧を履き違えた いつかまた平和な世界 ある日魔王は灰となり 物語の向こうに消えた 何を思い、何を感じて? コメント 名前 コメント
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今流行の焼肉屋『根焼』主催、“ステーキ3キロ10分以内に完食したらボーナスGET!!大会”が開催されるまで後10分。 参加者達は各々指定の席に案内され始める。荒我達は最後の方の参加者だったらしく、案内されるのも最後であった。 「ふぅ、ようやく席に座れるなあ」 「ずっと立ってたからオイラ疲れたでやんす」 「俺達、荒我兄貴を応援する横で焼肉定食食べてますから、頑張って下さい!」 「ここの焼肉定食は旨いぜ。この斬山が保証する」 「本当ですか。あ~、でも私ダイエットを始めようと思っているんですよね~」 「たかだか1食くらい問題ないって、ゆかりっち」 荒我達は店の中に入る。従業員に案内されて指定の席に向かう。とそこで・・・ ドン!! 「あ、ごめんなさい」 「あぁ!?いってーな。どこ見てやがんだよ、ボケが!」 自分達の席に気を取られたのか、葉原が隣の席に座ろうとしていたスカジャンを着た男―菅内破堂―にぶつかってしまったのである。 「ちょっと!!ちゃんと謝ってるじゃない!その言い草は無いんじゃあ」 「あぁ!?この女の連れか、テメェ?連れなら人様に迷惑を掛けねぇようちゃんと見張っとけよ、馬鹿野郎」 「な、何ですって~!」 「緋花ちゃん、もういいって。私が悪いんだし」 焔火と菅内の間に険悪な空気が流れる。そんな時に荒我が首を突っ込む。 「よぉ、たかだがぶつかられたくらいで一々キレてんじゃねぇよ。小せぇ男だなあ」 「・・・何て言った、テメェ」 「荒我・・・」 「肝っ玉の小せぇ男だって言ったんだよ。ビビリか、お前。小心者の典型例じゃねぇか」 「ブッ飛ばされてえのか、テメェ」 「ああ、いいぜ。ステゴロで闘ろうぜ。お前のひん曲がった根性を叩き直してやらぁ」 「おい、拳!」 「荒我さん。駄目ですよ!」 今度は仲裁に入った筈の荒我と菅内が戦闘モードに入ってしまった。慌てて止めようとする斬山と葉原だったが、2人は聞く耳を持たない。 一触即発の空気が店中に流れる。他の参加者も怪訝な目線を向ける。そして・・・ 「二度とそのふざけた口を利かせねえようにしてやらぁ!!」 「上等だ。オラァ!!」 「あの~、いい加減にしてくれないかな~。君達ぃ~」 「「なっ!!?」」 今まさに殴り掛かろうとした荒我と菅内の間に、突如として割り込む1人の男。 その肥満体型からは想像できない速度で2人の首根っこを捕まえる。 「もうすぐ極上のステーキが来るんだよねぇ~。なのに君達が暴れちゃったら、この大会もオジャンになっちゃうんだよねぇ」 「そ、それがどうしたってんだ!んなことより俺はこのリーゼント野郎を」 「ス・テ・ー・キ・を・食・べ・れ・な・く・なっちゃうじゃないかあああああぁぁぁぁぁ!!!!!」 「うおっ!?そ、その白目を俺の顔に近づけるんじゃねぇ!!気色悪いぃぃ!!」 「君もそう思うよねえええええぇぇぇぇぇ!!!リーゼントク~~ン!!!!!」 「ぎゃあああ!!涎を垂らしながら俺にその顔を近付けるんじゃねえぇぇ!!!」 絶叫する荒我と菅内。何せデカイ顔+白目状態+涎を垂らしまくりの男が大声を挙げながらその顔を近付けてくるのである。 如何に強気な2人でも、その気色悪さには耐え切れなかったようだ。 「わ、わかった!!おとなしくする。おとなしくするからその顔をくっ付けてくるなああ!!」 「お、俺も!!冷静になる。冷静になるからいい加減に解放してくれえぇぇ!!」 「・・・・・・ホント?」 「「ホント、ホント」」 「はぁ~、よかった。ちゃんと仲直りしてくれたんだね~。ボク、君達が強面だからちょっと恐かったんだよ~」 「「(いや、俺の方が恐かったよ)」」 心の中でツッコミを入れる荒我と菅内であったが、そんなこととは露知らず、その男は爽やかな笑顔を浮かべながら自分の席に戻って行った。 途端に各席から漏れ出てくる笑い声。さすがに恥ずかしくなった2人は、さっさと自分の席に戻る。 「大丈夫っすか、荒我兄貴?」 「だ、大丈夫だ。ちょっと冷や汗が出まくったけど」 「あの白目男、一体何者でやんすかね」 「さぁな。フードファイターって奴じゃねぇか?食に厳しいっつーか」 「ごめんなさい。私のせいでこんな騒動に」 「ゆかりっちのせいじゃ無いよ。荒我の言う通り、あんなことでキレるあのスカジャン野郎がバカなのよ」 「(あの男・・・何処かで)」 そうこうしている内に、店の奥から今日の目玉である高品質のステーキが出て来た。その香りだけで、食欲が湧き立ってくる。 「うおお!こりゃあ旨そうな肉だなあ」 「美味しそう!あ~ん、早く食べたい~」 荒我と焔火が少々興奮する中、斬山は忠告も兼ねたアドバイスをする。 「もう一度確認しとくが、これは1キロ分だ。まだ2キロ分が別にある。3キロ全部を10分以内で完食できなきゃあ自腹だぞ。わかっているな?」 「ええ、もちろん」 「大丈夫っすよ!」 「あ、オイラ達の焼肉定食も来たでやんす」 「これは旨そうだなあ」 梯達が注文していた焼肉定食もテーブルに運ばれて来た。そして・・・ 「え~、これより“ステーキ3キロ10分以内に完食したらボーナスGET!!大会”を開催しま~す。ルールは事前に説明があった通りでぇす!! 10分以内に完食できれば懸賞金GET!!できなければ自腹!!天国と地獄、その分かれ目は・・・ズバリ貴方達次第でぇす!! では、開始の合図は私と親交が怪しい意味で深く、またこの大会の応援を買って出てくれた駒繋女史にお願いグハッ!!」 「誰が怪しい親交だ、誰が。私はそんな不健康な親交はしていません!!」 「さ~すが、駒繋女史のツッコミはキレッキレで~す・・・」 サングラスを掛けた店長の短い挨拶の後に、ツインテールの少女がツッコミを重ねながら出てくる。いよいよ決戦の火蓋が落とされるのだ。 「皆、余り無茶はせずにね!そして、思いっきり楽しんで賞金ゲットを目指して下さいねー!!では・・・よ~い、スタート!!」 continue・・・?